俺様御曹司とナイショの社内恋愛
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まぁ、川本さん、これからよろしくね、沢木がおっとりと口にする。
「あ、はい」
反射的にかるく頭を下げる。
郁の歓迎会なるものが催されたのは、会社からすこし離れたところにある、魚料理とワインを売りにした店だった。
白石がチョイスしたというだけあって、料理と酒は申し分なく美味しかったけれど、メンバーはたった三人でろくに馴染んでもいない面子となれば、どこか気詰まりで、当然あまり会話もはずまない。
ついでに沢木は酒がダメとのことで、一滴も飲まなかった。
「病気してから禁酒になっちゃって」
と曖昧に笑ってみせる。
そう遅くもならないうちに、「じゃあ僕はこのへんで」とそそくさと腰をあげる。
「あとは若い人たちで楽しくやってね」
たしかに飲めないなら、こんな場は目に毒でしかないだろうけど。
・・・二人で残さないでください。
グラスをにぎって、むなしく内心つぶやく。
まぁ、川本さん、これからよろしくね、沢木がおっとりと口にする。
「あ、はい」
反射的にかるく頭を下げる。
郁の歓迎会なるものが催されたのは、会社からすこし離れたところにある、魚料理とワインを売りにした店だった。
白石がチョイスしたというだけあって、料理と酒は申し分なく美味しかったけれど、メンバーはたった三人でろくに馴染んでもいない面子となれば、どこか気詰まりで、当然あまり会話もはずまない。
ついでに沢木は酒がダメとのことで、一滴も飲まなかった。
「病気してから禁酒になっちゃって」
と曖昧に笑ってみせる。
そう遅くもならないうちに、「じゃあ僕はこのへんで」とそそくさと腰をあげる。
「あとは若い人たちで楽しくやってね」
たしかに飲めないなら、こんな場は目に毒でしかないだろうけど。
・・・二人で残さないでください。
グラスをにぎって、むなしく内心つぶやく。