もし、キミが今ココにいたらまだ私は好きだったのかもしれない
No.7
また、龍星は髪を染めて

夏休みは白っぽいピンクだったけど

冬休みは何色に染めるんだろう

また同じかな?

終業式が23日だったから

明日はクリスマスで

今日はクリスマスイブ

龍星と楽しく過ごす予定だったけど

まぁどうせ仕事なんだろう

"ごめん、予定ある"

メールの返信もただこんだけ。

久々に街にでも行って服買おっかな

私は1人で街に行った

はぁ…街はカップルだらけ

クリスマスイブだから仕方ないのかもしれない

ある程度行きたいお店まわったら帰ろうと思ったら

…!!!!?!?

そこには龍星がいた

しかも女の子連れてる…

髪の毛は金髪

でもあっちは気付いてないみたい

…ミユキは尾行することにした

まず龍星が服を買って

その辺のカフェでコーヒーを買って

2人楽しそうに話してたから

余計惨めっていうか、

彼女でもないのにミユキは、妬いてる

ミユキは尾行をやめて家に帰った


次の日、クリスマス当日

前々から買っておいたクリスマスプレゼント、

前もって空けておいた予定、

全部が狂ってくる

龍星からメールがきた

"まだ来ないの?"

心配なのかな?

"ごめん、私体調悪いから行けないや"

ミユキは仮病を使った

"じゃあ薬を届けに行くね"

え…どうしよう…お母さんいるんだけど…

仮病バレるんだけど…困るんだけど…

"ありがとう、助かるよ♪"

無難に返信した

けどこれはかなりヤバイ

イヤだな…会いたくないな…

30分後くらいに龍星が来た

ピーンポーン‼

「最神です!お見舞いに来ました!」

うっひゃーー…!

「え?ミユキ?お見舞い?体調悪くないよ?」

見事やってくれるじゃないかお母さん!

「玄関まで入って待っててね!」

「はい、わかりました、お邪魔します」

なんとなく玄関から会話が聞こえてくる

コンコンッ!

「ミユキー!最神くん来てるよー!どうしたの?体調悪かったの?とりあえず部屋に入れるわね」

え…?

部屋?ミユキの?だよね?

散らかってる超汚部屋なんだけど?

反論する間もなく片付けに取りかかった

クローゼットに出てるものを勢いよく放り込んで

布団に寝た

「ミユキ?入るよ?」

龍星の声だ

龍星が来た…

ミユキはマスクをつけて病気風にした

「単刀直入に言う、ミユキ、お前仮病だよな?」

ゲホッゲホッゲホッゲホ!!

風邪というより誤魔化すために咳き込んだ

「なぁ!そうだろ?なんとなくわかるんだよな」

うん、もういいよ、仮病を貫くのは無理だ

ミユキはベットから勢いよく起き上がり

マスクも外した

「そうだよ、仮病だよ♪」

「やっぱりな!なんだよクリスマスなんだから遊ぼうよ!てゆーか約束してたじゃん!」

昨日のこと追求するのはダメなのかな?

やめとこう

聞いたら隣に居られなくなるかもしれない

「そうだね、街に行こう」

ミユキは笑って誤魔化して見せた

ミユキはリュックサックに

龍星への事前に準備してたクリスマスプレゼント入れてたから少し膨らんでてちょっと違和感があった

クリスマスだし

ミユキ達の住んでる人の少ない駅前でさえ昨日と連日相変わらず人が多い

市電も満員でミユキ達はぎゅうぎゅう詰めの電車に無理矢理入った

けどココでの記憶は未だに忘れてない

ーミユキは痴漢にあった。

隣に龍星が居たのに龍星に助けを求めるにも声が出ずに街に到着するまで我慢していた

出るときに後ろを振り返って顔だとか何とかを見とけば良かったかもしれないけど怖くて振り返ることも出来なかった

…怖かった

でも龍星には言わずに黙っていた

まずは市電降りてすぐの

"神通"ってアーケードに入ってクリスマスだからって何か特別準備してきた訳じゃないけどなんか普段はあんまり人がいないとこに

みんな集まって密集してることがなんだか場を盛り上げた

「なぁ、あのデパート行きたいんだけど行こ?」

突然近くのデパートを指差してミユキに聞いてきた

けどあのデパートは昨日龍星がデートしてたデパート、昨日行っただろうしあの子と一緒のとこ行きたくない

だからもちろんワガママなミユキは

「えー、そここの前行ったもーん」

ホントは新しくできたばっかりだからミユキも興味あるんだけど

昨日は龍星が入り口付近にいて入れなくて

今日は自分から拒否なんて…

上手くいかないな

「あ!あそこのヤツ行ってみたい」

ミユキが興味のあった昨日行ったデパートに行ったり

「俺あのカフェ行きたい!」

カフェでランチをしたり

こっそりミユキは龍星をローアングルから盗撮した

だけど彼女でもないから2人で自撮りとかは勇気がなくて言えなかった

ホントあの時たくさん2人で写真撮っておけば良かった

「ミユキ、ゲームセンターでプリクラ撮りたいなー」

「俺、カラオケ行きたいのにー!」

まさかの2人左右のゲームセンター、カラオケを指差して被る

2人爆笑したけど龍星は譲る気はないらしい

だからミユキはキミに

「仕方ないなぁ…カラオケ行こっ♪」

龍星は笑顔で

「やったぜ、ありがとう!!」

昼からはカラオケのフリータイムで4時間くらい歌いまくった

歌い出しは中々歌わなかったけど途中から諦めて日頃のストレスを全部放り捨ててホントスッキリした

カラオケを出たのが4時半くらいで辺りは暗くなりはじめていた

「何も行くとこないし、帰ろ!!」

すっかりプリクラを忘れていた

早くプレゼント渡したい

「じゃあ帰るか」

市電に乗ってミユキ達はあの田舎街に帰った

ホントは市電に乗りたくなかった

怖かった

けど誰にも言えなかった

市電を降りてミユキは龍星の家に一緒に行った

「じゃあな、楽しいクリスマスを」

家の前で笑って手をふる龍星

「え?なんで?いれてくれないの?」

ミユキはてっきりパーティーをするんだと思ってた

「え?俺これから予定あるし、じゃあな」

最後まで笑って龍星は手をふった

それならミユキ、することがある

「じゃーね、クリスマス楽しかったよ」

ミユキは後ろにからってたリュックサックを前に持ってきて

中に入ってたクリスマスプレゼントを思いっきり龍星にぶん投げてそのまま振り返ることなく帰った

ふりして少しだけ龍星が家に入るとこを見ていた

だってイヤな予感がしたから

ガチャッ!

「ただいま~。」

ダッダッダッタ……

「おっ帰り~♪」

カン高い女子の声が聞こえてくる

昨日の女の子かな?

"ただいま"?

"お帰り"?

なんで?

その女の子がいるのにミユキはいれてくれないの?

やっぱり龍星には彼女がいるの?

じゃあなんでミユキはいつもご飯作ってるの?

なんで?

ミユキが嫌いなのかな?

もうやめよっかな

……もうちょっとだけ見てよう

龍星の家は全面的にガラスだから電気をつければ中が丸見えなんだよね

…やっぱり見たくない

帰ろ。
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