それはちょっと
そして、私は私で一体何を言っているんだ?

「ああ、そう言うこと」

部長がそう言ったので、私は彼の顔を見た。

「別に勘違いしてもいいんじゃない?

事実、南くんとはできてる訳なんだし」

「なっ…!?」

クスクスと笑っている部長に、私は何を言い返せばいいのかわからなかった。

「子供じゃないんだから、嫌がらせをしてくる輩なんかいないと思うよ?

それでも嫌がらせをしてくる輩がいるんだったら、たぶんそいつは精神的にまだ子供なんだと思うよ」

「えっ…」

部長の端正な顔が近づいてきて、
「――ッ…」

その唇が重なった。

逃げようとしたら後頭部に大きな手が添えられた。

部長の策にハマってしまったみたいで、悔しくて仕方がない。
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