それはちょっと
部長が何かをしたと思っていたけれど…それはよくよく考えてみたら、悪い方ではないのかも知れない。

もしかしたら、それはいい話だったりするのかも知れない。

例えば…えーっと、何だろうか?

そう推理をした私だけれども、続きが全くと言っていいほどに思い浮かばなかった。

「あの話…ああ、なるほどね」

部長は意味がわかったのか、クスリと笑っただけだった。

その笑みを見て、頭の中に浮かんだことがあった。

「――結婚、ですか…?」

それを口に出した私に、
「結婚ではないね。

南くんがいるんだから、結婚なんかしないよ」

部長はクスクスと笑いながら答えた。

「…で、ですよね」

そんなことはとっくにわかっているのに、私は何を言っているのだろうか。
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