それはちょっと
「部長」

私は彼を呼ぶと、その顔を見つめた。

眼鏡越しのその瞳が私を見つめていることに、私の心臓がドキッ…と鳴った。

「――私…」

そこで言葉を区切ると深呼吸をした。

生まれて初めて告白をするから心臓がドキドキと鳴っている。

「南くん?」

部長が首を傾げて私の名前を呼んだ。

落ち着け、自分の気持ちを伝えるんだ。

「――私、あなたのそばにいたいです」

そう言った私に部長は驚いて目を見開いた。

「部長のことが好きなんです…!」

伝えてしまった…。

部長に気持ちを伝えてしまった。

ああ、どうしよう…。

初めてだから、どうすればいいのかわからないよ…。

心臓はうるさいくらいに鳴っていて、それが部長に聞こえてしまっているんじゃないかと不安になる。
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