それはちょっと
やっぱり、調べたんですね。

部長のその顔を見ながら私は心の中で呟いた。

でも嬉しいことには変わりはない。

本当は指輪をもらったこの喜びを噛みしめたいけれど、
「料理、冷めちゃいますから食べましょうか?」

私は部長に声をかけた。

せっかく時間をかけて作ったのに冷めてしまったら意味がない。

「ああ、そうだね。

ありあが一生懸命作った料理を忘れるところだった」

部長はエヘヘと笑いながら返事をした。

「あっ、名前…」

さっきまでは“南くん”だったのに、もう“ありあ”と私のことを名前で呼んでいる。

「ダメだった?」

そう聞いてきた部長に、
「…和さんに呼ばれるなら構いませんけど」

私は言い返した。
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