君を愛した時間〜残した宝物
「ん?」
「あの若い二人組の男の子」
人が多い砂浜から私は二人組の男の子を探した…目に止まったのは、背の高い黒髪で短めの男の子、もう一人は隣の男の子と同じ背丈で、髪が少し長めで茶髪の子だった。
「あの人達が、どうしたの?」
「店を探してそうよ」
「そうかな?」
「髪の毛が茶色い子、店側の方を見て歩いてるでしょう!」
おばちゃんが言う様に茶髪の子は、目線が店の方を向いている…。
「おばちゃんゲット出来るかなぁ!?」
「任せてよ!」
そう言って、おばちゃんは首に巻いてあったタオルを取って冷蔵庫から缶ビールを二つ出した。
「店内で飲食いかがー!どうぞー!ビールも冷えてますよー!」
おばちゃんは、張り切って声を出した、私は店の入り口に立って呼び込みをした。
「いらっしゃーい!中で飲食いかがですかぁー!」
二人組の男の子達は、店に近づいてきた、黒髪の子と私は目があった。
《淋しい目…》
「お兄さん!いかがー!ビール冷えてるよ!」
おばちゃんは、店のラインギリギリまで出て声をかけた。
二人組が店の前で足を止めた。
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