君を愛した時間〜残した宝物
幸せな時間…
――セラは、完全に消えた……セラの誕生日も過ぎ……世間はクリスマスで賑わっていたが……俺は、独りぼっちだった。
セラが好きな冬の季節……一緒に過ごしたかった……誕生日……。
俺は、セラを探し病院に行ったが、病院には来ていないと言われた……。

≪…俺を夢中にさせた…たった一人、たった一度しか愛せない…この愛は俺の最後の愛…セラだけの愛……神様……神様なんか居ねぇーんだな…≫

俺は、賑わう街並みで孤独を感じ家路に急いだ。

(トンットンッ!!)
後ろから、誰かに肩を叩かれ俺は、振り向いた。
「………」
≪!!≫



――私は、家の窓から海を見つめていた。
≪クリスマス…イブ…≫
「…はぁー…」
私は、大きな溜め息をついた。
私の溜め息は、窓ガラスを白くした。
(…キュッ…キュッキュッ…)
白くなった窓ガラスに、私は、指でハートを描き名前を書いた。
(心…セラ…)

≪…私は、やっぱり…心には言えない……ごめんね心…私は、心に痛みだけを残してしまったね…心への想いは…私の胸の中で想い続けます…≫

私は、しばらくの間、海を眺めていた。


翌日、私は診察を終えて病院を出ようとした。

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