君を愛した時間〜残した宝物
「心…よく考えろ…」
「…」
「心が本気で恋愛するなら、応援するが…遊びなら、他の女にしろ…」
俺は何も言えなかった。
「でも、心を…こんなに感情的にさせるセラは、凄いな…じゃー、俺帰るからな…」
「…」
《本当の俺の気持ち…俺が知りたい…お前は恋をしたのか?…》
誠は俺の肩を叩き帰っていった…俺は暫くの間、扇風機の前に座り動けなかった…。


――「ご馳走様でした」
「セラ?どこか調子でも悪いの?」
「悪くないよ」
おばちゃんは、半分以上、残したご飯を見て言った。
「でも…」
「本当に平気よ」
「セラ、体調悪い時は、遠慮しないで言うんだよ!」
「大丈夫よ、おじちゃん!ありがとう」
おじちゃんとおばちゃんに笑顔を見せた私は、自分の部屋に戻り、部屋の明かりを付けないまま、ベッドに寝っ転がった…。
《心さん…あなたが口付けた足が熱いです…》
(カチッ…カチッ…)
窓に何かが、あたった…私は窓の扉を開け、外を見渡した。
外は、雨が止んで夜空には星が出ていた。
「気のせい…?」
窓を閉めベッドに横になろうとした時…。
(カチッ…)
また、窓に何かがあたった…私は、窓を開けた。
「セラ…」

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