君を愛した時間〜残した宝物
公園に着くと、直君はブランコに向かいブランコに立ちながら乗った、私は隣のブランコに座った。
「で?何の報告なの?」
「…」
直君は笑っていた。
「直君?」
「あははははは!!」
「何!?どうしたの!?」
公園に直君の笑い声が響き私は、直君の突然の高笑いに驚いた。
「よっ!」
直君は、ブランコから飛び降りると、私の前に来た。
「何…よ?…」
「…」
直君は、私を見つめ黙っていた。
「俺…、医者になれる!」「えっ?」
「受かったんだよ!!」
「本当に!?」
「あぁ!!」
「凄いー!!凄いよ!直君!!良かったね!!」
私と直君は、ブランコの前で抱き合いながら喜んだ。
「ありがとう!セラ!誰よりも先にセラに報告したくて!!喜んでくれて嬉しいよ!」
「喜ぶに決まってるじゃない!!」
直君の腕から離れ、私は直君の顔を見た。
「セラ…」
直君の顔付きが変わった。
「なに?…」
直君は、私の両肩に手を置いた。
私は、何故か体がビクッとなった。
直君の、優しい瞳…。
「俺は、まだセラを助けられるような医者には、なってない…まだ未熟だから、けど!セラは、俺が守から!俺の隣に、いつも居てくれないか?」


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