先生って言う名前の人
上がる時間になって、先生はまた先に出て行った。

あたしはわかってた、下で待ってること。


だから出来るだけゆっくり着替えて、店を出た。


「帰るぞ」

、、やっぱり。


昨日あたしの家を知った先生は、先に家の方向に歩き出した。


あたしは少し距離をとって先生の後ろを歩いてると、先生は少し振り返って言った。


「なぁ、森が心配してたぞ」

「、、、なにを?」

「お父さんが亡くなってからずっと元気なくて避けられてるって」


ひとみのことは大好きだったけど、
あたしはおばあちゃんのこともお店のことも誰にも知られたくなかった。

だから遊ぶのを辞めた。

でも心配してくれてたんだ、、


そう思うと、胸の真ん中が熱くなった。


「辛いよなぁ。
けど、お父さんも夜の店で働いて欲しくなんかないと思うぞ」

「、、お店の人には言わないで。家族のこと」


あたしはいつまで、これから何人の人に嘘をついて生きていくんだろう。

自分がして来たことなのに、嫌気がさして来た。


「言わないけど、、
なんで学校でひとりでいんの?
店ではあんなに明るいのに」


「、、つまんないだけ。学校」

先生にそう言った声が、少し震えてしまった。


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