先生って言う名前の人

歯磨きして、朝ごはんを作って、先生と2人で食べた。


ひとりぼっちのいつもと違って、
怖いくらい幸せな朝だった。


食べ終わって先生の隣に座って、

お兄ちゃんが居たらこんな感じなのかな、って言ってみると、

俺も一人っ子だからわかんないって。


先生も一人っ子なんだ。

共通点をひとつ見つけて、嬉しかった。


「先生みたいなお兄ちゃんが居たらあたし誰とも結婚しない」

先生に”お兄ちゃん”を認めて欲しくて、何回もお兄ちゃんと言った。


「、、、お兄ちゃんは毎日一緒にご飯食べても、一緒に寝たりしないと思うぞ」


先生はお兄ちゃんを頑なに拒否する。


お兄ちゃんじゃなかったら何?

先生?知り合い?


悲しくなって来て先生に背中を向けた。



、、でもさっきみたいに頭を撫でて欲しくて、頑張ってお願いしてみた。



そしたら先生は、何も言わずにあたしの頭にぽんって手を置いてくれた。



おっきくて、あったかくて、

大好きな手。


ずっとそのまま離さないでって


心の中で何度も言ったけど、


先生には聞こえないよね。


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