天神の系譜の奇妙なオムニバス
その仲間達を、無事に元の世界に帰す為にも。

「内務卿、佐津間に案内して頂けますか」

古奈美は言った。

「古奈美ちゃん!」

ベルが止めようとするが、古奈美は耳を貸さない。

「まだ政府軍と東郷さん達の戦闘は始まっていないのですよね?でしたら出来る限り早急に…そして、私と東郷さんが会談を開けるように、便宜を図って頂きたく存じます。東郷さんの暗殺に関しては…」

古奈美は沖田を一瞥した。

「最終決断は、私に一任して頂きたく」

暗殺を、古奈美に一任する。

つまり、『沖田の手は汚させない』『沖田に殺しなどはやらせない』と同義。

無論、大久保とて馬鹿ではない。

その程度の事は読めているだろう。

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