天神の系譜の奇妙なオムニバス
「極意・斬鉄…」

沖田の眼が、カッと見開いた。

「『絶刀』」

弦を限界まで引き絞った矢のように、沖田は撃ち放たれた!

音を超えるような神速の間合いの侵略から。

「がっっっっっっっっっっ!」

伊蔵の肩口を貫き、押し進み、部屋の襖を幾つもぶち抜いて、大黒柱に激突!

肩を貫通した大典太が、伊蔵の体を柱に縫い付ける。

まるで昆虫採集の標本だ。

「ぬ…ぐ…抜けん!」

柱に深く刺さった刀は、伊蔵の手では引き抜けない。

「抜けませんよ…抜かせません…」

糸が切れた人形のように、沖田はその場に崩れ落ちた。

うつ伏せに倒れたまま、呟く。

「貴方はこの後、ヒノモト政府の警官に捕縛され、法の下に裁かれる…それが僕の、天神学園で学んだ英雄のやり方です…」

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