天神の系譜の奇妙なオムニバス
トレードマークの鉢巻きは焼け焦げ、空手着の上衣は燃え尽きて上半身裸。

空手着の膝や太股も焼けて穴が開いている

肉体にはそれ以上の火傷や切り傷や痣。

リュートは大の字になっていた。

目を閉じ、苦しげに呻く。

…そんな弟を見て、胸が痛む。

ムキになってしまった。

リュートが強くなるのは嬉しいが、あまりに痛い一撃だったので、仕返しせずにはいられなかった。

猛虎の勇者としての本性が、牙を剥いてしまった。

「ご、ごめんリュー君…大丈夫?」

「いっ…てぇな…」

ガクガクと震えながら、身を起こすリュート。

ティグルは狼狽する。

「も、もうやめよっか?リュー君強いよ、うん、強くなった。だからもうやめとこ?幾らリュー君頑丈でも、お医者さんに診てもらった方がいいよ?」

「えーっと…」

ティグルの言葉にも耳を貸さず、リュートは何かを思い出すように呟く。

「雷の名を謳う…だったっけ?」

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