【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「姉さん!」
こうなったら、探さなければならない。
俺の力だけでは、肌をふれあわせることだけでは、もう、沙耶を救えないのか。
それだけ、沙耶の病気は重いのか。
俺はいろいろ考えながら、京都の御園の屋敷に帰った。
すると、開口一番に
「お前は、阿呆かっ……!!」
涙する姉に迎えられた。
「なんで、電話したのに、出んかったんや!」
そう言われて始めて、あの恐ろしい数の着信には意味があることを悟った。
「じゃあ、まさか……」
「まさかやない!沙耶は、うちに電話してきたんや!あんたの居場所を知りたいって!やけん、電話したんよ!?掛けなおすよう、ゆうたのに……沙耶は、うちが判らないと言うと納得して、二度と電話を掛けてこん!」
沙耶が姉さんに、電話を?
なんで?