【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「沙耶……」


春ちゃんの心配するような声に、大兄ちゃんと勇兄ちゃんは少々、戸惑いながら、椅子に座った。


「……お前はなんで、相馬を庇う?」


理由なんて、わからない。


好きだから、ただ、好きだから、だ。


「……わからない。でも、傷つけてほしくない」


止めどなく溢れるこの涙は、悲しいからじゃない。


「大兄ちゃんも、勇兄ちゃんも、相馬も、みんな、大事な人だから……私のことで、傷つけあって欲しくないだけだよ」


うん、そう、この気持ちは。

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