【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「それにね、私、嬉しい、の」
「……」
兄達の息を呑む音がする。
「私、嬉しいみたいなの。相馬の子供を授かることができて」
後悔?そんなものはない。
私は、相馬を愛してる。
愛してる人の子供を授かったのよ?
こんなに嬉しいことはない。
「この子達にね?話しかけるのが、楽しいの。動いてくれたときとか、本当に泣きたくなるくらい……ううん、泣いちゃってるね」
お兄ちゃん達の瞳が揺れる。
「……子を生んだら、死ぬかもしれないのにか?」
「うん、それでも生みたい」
もう、決意した。
この子達のためならば、命を捨てる覚悟だってした。
でも、心配性なお兄ちゃんたちは、私の決意すらも駄目だと言う。
けれど、やっぱりそれに反対するのは、大兄ちゃんで。彼は優しいから、私よりも過去に縛られている。