【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「それにね、私、嬉しい、の」


「……」


兄達の息を呑む音がする。


「私、嬉しいみたいなの。相馬の子供を授かることができて」


後悔?そんなものはない。

私は、相馬を愛してる。

愛してる人の子供を授かったのよ?

こんなに嬉しいことはない。


「この子達にね?話しかけるのが、楽しいの。動いてくれたときとか、本当に泣きたくなるくらい……ううん、泣いちゃってるね」


お兄ちゃん達の瞳が揺れる。


「……子を生んだら、死ぬかもしれないのにか?」


「うん、それでも生みたい」


もう、決意した。

この子達のためならば、命を捨てる覚悟だってした。


でも、心配性なお兄ちゃんたちは、私の決意すらも駄目だと言う。


けれど、やっぱりそれに反対するのは、大兄ちゃんで。彼は優しいから、私よりも過去に縛られている。

< 375 / 759 >

この作品をシェア

pagetop