【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「まぁ、いいが……この状況、どうするつもりだ?」
「あら、やだ。雪さんったら、こわーい顔」
そう言って笑った彼女は、桜の病室に目を向けた。
「あの子が、苦しんでいるわ。泣いてる。自分のせいで、薫が傷つくことを恐れている。やあね、あんな感情的なとこ、京に似ちゃったかな」
何で、桜のことを知っている?
京?……雪さんが、親しげに話すこの女性は。
「人の感情を読み取り、瞬間移動も可能。記憶操作までできるぞ。こいつは」
俺たちの顔を見て、雪さんは微笑む。
「あなたたちには、初めましてかな?」
俺たちと同じ、能力者。
「貴女は……」
戸惑っている薫も、何となくで気づいている。
「……桜は、大丈夫よ。だって、私の娘だもの」
そう、全ては、桜の容態が変化したことに問題があるのだ。