【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「よく、この家で一人でも頑張ったね。私が放棄したせいだけど……ありがとう」


自由を愛する人。


妻が生涯に二人いた祖父よりも、御園にとって、異端な人間。


『昔のしたきりって……んなもん、知らないよ。私の人生は、私の好きなように生きるの。過去のことなんて、どうでも良いー』


ふらり、と、わずか、17歳で消えた、自由人。


「……それは、みんなが助けてくれましたから」


相馬が出来た辺りに消えた彼女は、フラり、フラりと放浪し続け、現在、38歳。


後ろにいる、父親の春馬は、44歳か。


年を聞くと年取ったと感じるが、父さんの容貌は衰えておらず、相変わらず、相馬と同じ顔。


母さんが、憎んだ顔。


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