【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



「…………兄さん、とりあえず、落ち着こう?大丈夫だから、私がそばにいるわ」


すでに、目の前にいたのは兄ではなかった。


人の弱さに巻き込まれ、壊れてしまった男……。


優しすぎるがゆえに、抱え込んだものが大きかった兄さん。


「助けてもらいましょう?もう、苦しまなくても良いの」


私は震える兄さんの背中を押して、久しぶりの実家の敷居を跨いだ。


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