【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
心底、惚れ込んでいるというのと同じで、祖父の祖母に対する執着はすごくって。
見ているだけで、愛していることがひしひしと伝わってきて、暫くすると、稜の命名の理由までも出てきた。
―その時、涼夏を思い出したから。
名付ける際、最愛の人間を思い出した。
それだけだった。
それでも、俺には重く感じられた。
父さんが自慢気に語った、父さんの兄の話。
そして、祖母が父さんを授かったことが書いてあった日は、本当に、すごかった。
稜の時と、正反対だった。
それだけ、喜びようがすごくて……
それだけ、祖母を祖父は愛してた。