【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「あれ、春馬?」
笑顔で、俺のそばにいた和子。
必然的に、俺は和子に恋愛感情を抱くようになった。
けど、彼女はいつか、家のために結婚する。
だから、俺はこの想いを断ち切ろうとした。
あの日、和子に薬を盛られるまでは。
俺は、信じていたんだ。
和子が壊れていないって。
まだ、大丈夫だって。
でも、幼い頃から蓄えられた、人への憎悪と、家への憎悪は消えることなく、膨らんで。
彼女を、呑み込んで…………。