【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



15歳の春、寒いと思いながら起き上がると、俺たちは事後だった。


薬を盛られたのは、事実で。


家のものは認めてくれたけど、和子だけが錯乱したように叫んでいた。


「うちやない!春馬がうちを襲ったんや!」


泣き叫ぶ、和子。


違うって言葉は、和子には届かなくて。


俺はますます、自分の殻に閉じ籠った。


信頼していた姉に、裏切られた気分で。


けど、そんな俺を、もっと、絶望が襲う。

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