【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
□京子side■




初めて知る、過去。


それは、相馬以上に重いもので。


自分を責め続ける父さんは、心優しい人で。


「……“あの人”って、誰なんや?」


自分は、母親似。


相馬は、父親似。


総一郎兄さんや水樹たちは………


「……」


私の質問に、彼は目を伏せた。


そして絞り出すように言った。


「陽希兄さん……」


やっぱりか。


兄と弟が似ている相手……それは、父さんではなかった。


いきなり名前を出され、目の前で呆然と、


「え……?」


しているこの人に似ているのだ。


「……どういうことだ?」


陽向が、低い声を出した。


陽希伯父さんと陽向伯父さんは、双子だから……容姿自体に大した違いはない。


ただ、性格が違いすぎるのだ。


目を見開くほどに。


初対面ではわからなかった人も、彼らの性格を知れば、その後、間違えることはなく、双子を見分けた。


水樹と氷月の場合は、無駄に明るい水樹と無駄に物静かな氷月で別れているので、間違えようがないのだが……


「つまりは、なんや?母さんは、父さんを通して、陽希伯父さんを見ていたってことか?」


「……ああ。その頃、すでに俺らと年の離れた兄さんには、妻がいた。しかも、恋愛結婚末の妻が。引き離せるわけでもなく、だからといって、それを傍観して、想いを封じ込めることも和子にはできなくて……俺は、あいつに薬を盛られる前から、愚痴を聞いていた。『どうして、ずっと前から側にいたのはうちのほうやったのに、今さら別の子が現れるん?なんで、はるくんをうちから奪ったんや?』……あいつの口癖みたいなものでもあって。このままじゃ、義姉さんが危ないと思った」


父さんの言葉で、陽希は真っ青に、その妻の魅雨は下唇を噛んで、目を伏せて。


「明らかに、片想いだった。でも、わかっていたけれど、その判別がつかなくなるくらいに、和子は兄さんを愛してた」


「っ……!」


従妹として、義妹として、可愛がってきた女の正体。


陽向おじさんとは違い、人の良い陽希さんは口を手で覆った。

< 519 / 759 >

この作品をシェア

pagetop