【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



「今更、何いっても仕方がねぇ。今生きてることを最大限に利用して、幸せを掴めばいいだろ」


「……ほたるを本当に御園に呼び寄せていいのか?」


「そのほたるとかいう女が、平気ならば、だがな」


調べてみたところ、高崎ほたるという女は、32歳という若さだった。


最初、おい!って、思ったが……


(なんせ、幼馴染みに小学生に口説かれて、将来を約束しているやつがいるからな……)


まぁ、前世の引き合いと言えばそうなるが、総一郎兄さんと同い年の幼馴染みを思いだし、やっぱり、小学生は犯罪だと思い直す。


(そう考えると、12歳差が可愛いことで……)


「総一郎兄さんと、4歳しか違わねぇからな。どうせ、言ってないんだろ?性格上……でっかい息子がいますって」


「うっ……」


「……だと思った」


あっさりと言えるほどに、陽希さんや陽向さんみたいに性格が祖母に似ているのなら、良いんだ。


千華もなんだかんだ言って、祖母似だし。


でも、父親だけが……春馬だけが、祖父似である。


大切なものにこそ手を出せずに、躊躇うタイプ。


躊躇いなどを知らない俺は、祖母似なのだろう。


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