【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



「沙耶ぁ~」


「わっ、澪!真姫!」


二人とも大泣きで、私はめちゃくちゃに謝った。


「バカ!心配したんだからね!」


「は、はい……大変、申し訳ありませんでした」


片手は点滴に繋がれたまま、私は、ひたすらに謝り続けた。


みんな泣くばかりで、私はどうしたらわからなくて。


でも、その時間ですらも幸せを感じた。


「無事で良かったよ。本当に……」


「たははは……ごめんね、千歳。甲斐も、口裏合わせ、有り難う」


「二度とごめんだよ。殺されるかと思ったんだから」


ため息をつく彼は、私を引き留めなかった件について、周囲にいろいろと言われたらしく、本当に申し訳ない。


「わざわざ、有り難う」


この三日で、何人ぐらいの人が来てくれただろうか。


『貴女は、愛されているんだから』


鶴の言葉が、心の中でよみがえる。


(愛されるって、恥ずかしいけど嬉しいね。鶴)


本当に心から、そう思う。

< 604 / 759 >

この作品をシェア

pagetop