シンデレラLOVERS
「よかったらアドレス教えて」


「えっ?」


「ちゃんと相手のこと知ったら、気持ち変わるかもしれないし」


もしかしたら俺のことをもっと知ったら、俺への好意を取り下げたくなるかもしれない。


それに、



「俺も相沢さんを好きになるかもしれないし……」



この可能性だって充分に有り得る。



「だから知り合おう。お互いのこと」



そう言って手を差し出した俺に、


「やっぱり、イイオトコだ。城崎くん」


相沢さんが照れくさそうな笑顔を浮かべて、自分の手を重ねた。



まさか……。


付き合ってる


この一言で善雅と水原さんをビビらせる日が来るなんて、俺たちが知るのはもう少しだけ先のことだった。



おわり
< 109 / 115 >

この作品をシェア

pagetop