ブック・ワーム
チェリオ「じゃあ、次はいろんな店を紹介するぞ。」

アタル「店?」

チェリオ「さっきのおばさんが言ったみたいに、このスケッチ村にはなんにもねぇが、そこはやっぱり初心者の村だからな。冒険の道具をそろえるくらいの、ちょっとした店くらいはそろってるぞ。」

アタル「へぇ〜、ますますゲームみたいなところだな。」

そっか。やっぱりこの世界は、RPGと一緒のようなもんなんだ。

そう考えると、なんか怖くなくなってきたな。

ゲームは嫌いじゃないし、楽しい気分になってくるよ。

…。

ぼ、冒険ってなんだよーっ!

なんか、さっきからコイツ、俺がまるで冒険するかのように話を進めてないかーっ。

俺、早く帰りたいのにー。

全然、楽しい気分なんかにならねぇよ!

アタル「お、お前〜、さっきから話がズレてないか?帰る方法を教えてくれるんじゃないのかよ?」

チェリオ「『お前』って言うな。また、ぶたれたいのか?」

アタル「ひ〜〜っ。ごめんなさい!ごめんなさい!」

チェリオ「それに、話はズレてないぞ。ちゃんと、こっから帰る方法を教えてやってんだ。初心者のためのやさしくかつ適格なチュートリアルだぞ。」

アタル「じゃ、じゃあ、もしかして、この世界を冒険しなくちゃならないのか?!」

チェリオ「冒険とまではわかんねぇが、お前次第でそうなっちまうかも知れねーな。」

じ、冗談じゃない!!

こんなとこに、いつまでもとどまってたまるかっ!

俺は早くもとの世界に戻りたいんだ。

早く俺をこっから出してくれ〜〜っ!!!
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