好きだなんて言えません
「なーんだ。でも君、ソフトクリームが好きだなんていい感性してるじゃん!」
ドヤ顔をしている颯の知り合いであるこの人もきっとモテるんだろうなーというくらいイケメンだ
少しパーマがかった暗めの茶髪
あまり長くない髪の毛からどことなく清潔感を感じる
颯と同じで笑顔が似合う人だと思った
「日和は何味たべるー?」
そう言ってメニューを見せてくれた
意外にもたくさんの種類があって、さすが専門店と言わざるを得ない
「バニラがいい」
ひと通りメニューを見て出した答えはいつもと同じ
でも、一番シンプルなのが結局おいしい
「おっ!さすがソフトクリーム好きなだけあるな。やっぱり日和ちゃんわかってるね〜」
いつのまにか日和ちゃんと呼ばれていることに多少驚きはしたけど不快には感じない
「じゃあ、俺イチゴ」
変なところでの女子力に思わず
「…かわいい」
口をついて出てしまった
「うるせーよ」と、
頭をくしゃくしゃにされた