好きだなんて言えません



「ちょっと!ごめんて」

謝る気のない私のごめんに
「次言ったら倍くしゃくしゃにするからな」って笑って言った






やっぱりいい人なんだ





頭をぐしゃぐしゃにされたので結んでいた髪をほどいた

もう一度結ぶのもめんどくさいしと思いながらおろして軽く整える


「おろしてんの初めて見た」

「そーだっけ」


とか言いつつ、学校では必ず結んでいるからなと思う私は性格が悪い






「はいバニラとイチゴ
日和ちゃん、マジで上手いからな。覚悟しろよ!」

颯が二つとも受け取り、窓際にあるテーブル席に向かった




「はい、どーぞ」

「ありがとう」

うけとったバニラのソフトクリームは
綺麗に渦を巻いていて
それだけで魅力的に見える


小さくいただきますと言ってひと口食べた















うまい。


本当においしい




「すごくおいしい!」
少し伺う様にこちらを見る颯に、無意識のうちに目を輝かせていた


「おー、よかったよかった」
私の感想を聞いて安心した様にソフトクリームを食べ始めた



たべることに夢中になって話をするために入

ったことを忘れてはいたけどまあいい




また絶対食べに来よう
心に決めた。




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