恋ぞつもりて、やがて愛に変わるまで。


ガタンッ、ゴトンッと揺られながら、私は学校に向かうために電車に乗っていた。

相変わらず車内は満員御礼。人の間に挟まれて、身動きひとつできない。

加えて今日は雨だからか、まとわりつくような湿気で車内はムッとしている。

早く、着かないかなぁ……。

朝のおしくらまんじゅうをあと2年も我慢しなきゃいけないと思うと、気も沈む。


そんな時、『○○駅~、○○駅~』と、私が降りるひとつ前の駅に着いた。

そうだ、前はここで雅臣先輩が降りたんだった。

今日もいないかなぁ……。

自然と降りていく人波の中に、雅臣先輩の姿を探す。

すると、視界の端に映る濡れ羽色の髪。その瞬間、なんの確信もないのに、迷わずこう思った。

──雅臣先輩だ……!

もう、学校の事なんて頭から抜け落ちていた。

体の奥底から怒涛のように押し寄せる予感に、私は焦りだけを感じている。

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