恋ぞつもりて、やがて愛に変わるまで。


「す、すみません……」


ぶつかったのは、長身で体躯のガッシリとした男子生徒だった。

しかも目を引く金髪で、切れ長の瞳から放たれる眼光が鋭い。

ぶつかったことで、喧嘩ふっかけられたらどうしよう……!

私の数歩前でこちらを振り返る男子生徒に、体が強張る。

けれど、それはすぐに杞憂に終わった。


「これ」


彼はスタスタとこちらに戻ってくると、紳士的に落とした紙を拾って私に差し出してくれたのだ。


「あ……」


『ありがとう』と。
そう伝える前に、男の子は走り去ってしまう。

私は戸惑いながらも、部活の加入届の無事を確認することにした。

するとそこには、【進路希望調査票】の文字。

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