恋ぞつもりて、やがて愛に変わるまで。
「景臣先輩が好き……」
私の中にある、燃えるような熱の正体。
やっと、答えが見つかった気がした。
私が好きな人は、景臣先輩。
それがたとえ、前の恋にサヨナラを告げる事になったとしても、私は心のままに彼を好きでいたい。
「なら明日、景臣先輩が学校に来たら早いうちに気持ち伝をえちまえよ」
軽い調子で提案してくる業吉先輩に、彼を好きでいたいなんて言っときながら、私は「……ええっ」と怖じ気づく。
「もつれた糸は早くほどかないと、後々面倒だよ」
ついには紫ちゃんまで、告白を急かしてくる。
でも確かに、このままじゃ駄目だという事はわかっていた。
景臣先輩がどんな気持ちで嘘をついたのかも知らないで、私は責める事しかできなかった。
傷つけられたと自分の事ばかり棚に上げて、彼が多くのものを犠牲にして私を守ろうとしてくれた事にお礼すら言えなかった。
だから、景臣先輩に謝って今の気持ちをちゃんと伝えよう。
初恋の時のように、想いを確かめ合うタイミングを逃してしまわないように、大切な人を失ってしまわないように、君に向き合おう。