飴のち林檎
保健室
ぽつぽつ、降り出す雨。

まただ、憂鬱。

雨の日は頭が痛くなる。

特に、今日は一段と痛い。

だめだ、保健室に行こう。

うちの学校の保健室は、評判が悪い。

保健室の先生は愛想が悪く、逆に具合が悪くなりそうだともっぱらの噂だ。

そんな噂と、それから、雨の日にいつも休んでいる訳にはいかないという理由から、保健室は利用したことがない。

勝手に帰ってしまおうかとも思ったが、
今日はあいにくそんな元気も残っていない。

むしろ、保健室までの道のりも遥か遠くに感じる。

「ごめん、保健室行ってくるね。」

友だちの由良に声をかけると、

「そこまで連れていこうか」と心配してくれたが、授業開始三分前、とっても頼りたい気持ちを抑え、1人で保健室へと向かった。
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