糖度高めな秘密の密会はいかが?
それから有澄のスーツのジャケットを受け取り、ハンガーにかける事も日課になって来た。

ネクタイを緩める仕草にキュンとして、目が合うと恥ずかしくなり目を逸らす事もしばしば。

もう5ヶ月近く、こんな生活をしている私達。

私は先にお風呂に入り、ソファーでくつろいでいた。

「ゆかり、引越し前に御両親にご挨拶しなきゃ…と思うんだけど。いつが良いかな?」

「そう言えば、引越し先も全然決めてなかったね」

「了承得てから引越ししようと思うんだけど…どうかな?半同棲生活は秘密だけど、これから先、一緒に住むなら同意を得ないとね」

半同棲生活の事を知っているのは、社内では相良さんと綾美のみ。

特別、誰にも言ってないので、形的には秘密になっている。

有澄は私よりも若いのに挨拶とか順序を凄く気にするので、育ちが良いってすぐ分かる。

そんな有澄だから両親もすぐ気に入ると思う。

お母さんに関しては、ミーハー全開で「可愛い!」って騒ぐ姿が目に浮かぶ。

「私も有澄の御両親に挨拶行かなきゃだよね?凄く緊張するけど…!」

「母は社長だし、父は物静かだし、相良も一緒に住んでるから緊張しなくても大丈夫だよ。俺はしばらく実家に帰ってないけどね…」

相良さんも一緒に住んでるのね・・・今まで知らなかったな。

私の知らない有澄の事情がまだまだ沢山あるんだろうなぁ。

休みの日も一緒に過ごして、会社から帰宅後も居住を共にしていたから、私も有澄もしばらく実家には立ち寄っていない。

私の場合は結婚の話をされるから近寄らなかったのもあるけれど・・・。
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