俺がずっと守るから




「朝から大騒ぎになってますよ?王子様」

「…何の話」



結局遅刻ギリギリの登校になってしまった俺たちは、教室に入ってまず最初に関本に絡まれる。


2年から持ち上がりクラスだから、輝の姿は当然ながらここにはなかった。




「だって登校中に不審者捕まえたんでしょ?大したものよね〜」

「別に。彩葉が危なかったから捕まえただけ」

「あら、それはそれは」



ニヤニヤと見つめてくる関本にはもう慣れた。


婚約を教えてからずっとこうだから。




「それにしても李樹、よく気付いたね?」

「え?」


横で彩葉がひょこっと顔を覗かせ、感心したようにそう言われてドクンと心臓が鳴る。



…その距離、結構くるからやめてほしいってのに。



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