俺がずっと守るから
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「……ん…」
目を覚ますとそこは、古びた建物の中だった。
体を動かそうにも、手足を縛られていて動けそうにない。
「お?目が覚めたか。お嬢様」
「…どこよ、ここ」
「さぁな?」
目の前には、いやらしくニタニタ笑う男達3人が私を見下ろしていた。
……誘拐か。
やけに冷静にこの今の状況を把握する。
きっと、校門のところで待ち構えて私に薬を嗅がせたのだろう。
…あぁ、私が勝負なんかしなかったら。
そしたら、校門に着く私の横にはいつも通り李樹がいて、こんな奴らその場で捩じ伏せていたのに。
李樹、焦ってるだろうな。
初めてだもんね、私が拐われたの。
誘拐は前にもあったけど、それは小学生の頃。
李樹がまだ私に付く前の話だ。