紳士的?その言葉、似合いません!
「……先輩」
「なによ」
「もしかして今までの話って実体験を含んでません?」
「………」
3秒見つめあってそれ以上は無理とばかりに視線をそらされた。それが何よりの答えですよ先輩。
もしかして先輩も都築さんに気に入られて過去にわたしのような目にあったのだろうか。それはそれで複雑な感情が…だってそうだったら今カノと元カノなわけだし。
そう考えるわたしに先輩は諦めたようにため息をこぼした。
「都築さんじゃないわよ、私が目をつけられたのは社長」
「え、都築さんじゃなくて社長…社長っ?!」
目をむかんばかりに驚いた。だって社長って!あの社長ですか!?我が社を率いる社長ですか?!あの氷の社長?!?
諦めの表情で頷く先輩に今度こそ言葉を失った。
ここだけの話、社長と都築さんは親戚で幼い頃から交流があったらしい。それが関係して社長と同じ会社に入って秘書として働いている都築さん。
先輩は元から秘書課で働いていて都築さんと一緒に働くうちに社長と会う機会も何度かあり、その後も交流を持っていたとか。
そして付き合ってほしいと社長の方から言われて先輩も憎からず思っていたが立場上無理だと冷静に告げた先輩。その結果、拉致。ついで抱き潰されてほぼ無理矢理付き合うと言わされたらしい。
……どこかで経験した話である。