向日葵にさよなら。
母さんにいちいち説明したくはなかったから、適当に話を合わせてお店を出た。
店を出て左に曲がり、急ぎ足で坂を下ろうとしたとき、
「あれ、松波くん? 今からお出掛けなの?」
――久しぶりに聞く、彼女の声が背中越しに聞こえた。
「倉本……久しぶり」
「久しぶり、かな? 最後に会ったのは三週間くらい前かな」
具体的に期間を言われると、そう久しぶりでもないような気がした。
ぱっと見た感じ元気そうでほっとしたとともに、どうして彼女がここにいるのかが気になってしまう。
「それで、今日はどうしたの?」
「今日も、花を買いにきたんだ。なかに入ってもいいかな?」
「もちろん」
僕は倉本とともに、さっき出たばかりの店に入った。