向日葵にさよなら。

 彼女はそう言い残して、一本の花束を持って帰っていった。

 誰かを笑顔にさせているのは、お花だけの力じゃない、か。それって、僕が選んでアレンジしたからって言いたいのかな。

 いまいちピンとこなかったけど、なぜか嬉しかった。きっと、彼女なりの褒め言葉だったのだろう。
 もっと、自分自身を好きになってあげてもいいのかもしれない。

 卑屈な考えを捨てて、ポジティブに生きていくほうがいいのかもしれない。
 今すぐに、今の自分を捨てることは到底無理だろう。今は前向きなことを考えていても、学校にいけばまた僕はクラスメイトをランク付けて、自分を最下位に位置付けるだろう。

 でも、これまでと確実に違うのは、僕のなかには倉本と過ごした夏の時間があるということだ。


 それが何かを変えるわけでも、奇跡を起こすわけでもないけれど。
 少なくとも僕は、生まれてはじめて、夏の終わりが来るのを楽しみに感じている。



 
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