飛蝗者

o2

8月の上旬、正大が1週間大学の研究室に寝泊りすることになった。
私も丁度試験週間が重なった。
お互い夏休みまでは課題に集中しようということになり、正大は部屋を出て行った。

1週間経てば戻ってきてくれるのだと信じ込むことにした私は、それでも不安や寂しさ(彼が面倒だと疎むもの)を感じずにはいられなくて、レポートを書く手を何度も止めては、デスクトップに固定した小さな窓から、彼の連絡を確認していた。
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