最後の恋 【番外編: 礼央目線】
彼女はすぐに俺から目を逸らした。


その事になんとなく…ショックを受けている自分がいた。


あからさまに嫌そうな顔はされなかった…と思うけど、その表情は明らかに強張っているように見えた。


俺を見て、うわっ!先週の失礼な奴がいる…と思ったかもしれない。


俺も、何事もなかったかのように視線を開いた本のページに戻したけれど今は集中力が完全に切れていた。


と言うよりも今日は初めからなかった。


昼休みの残り時間も少なくなり、生徒の数も先ほどより随分と減っていた。


本を閉じると、静かに席を立ちカウンターに向かう。


彼女は、まだパソコンに向かって何かを入力していたようだったが俺が正面に立つと手を止めて一応、形だけは向き合ってくれた。


「返却と貸し出しお願いします。」


一言そう言って、2冊をカウンターに置いた。
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