最後の恋 【番外編: 礼央目線】
彼女の事をいつから好きになったのかは自分でもはっきりとは分からなかった。


初めて訪れた図書室というこの空間が、俺にとってすごく居心地のいい場所だということが発覚したあの日、


最初は綺麗なその声だけを聞いて、どんな子だろうと興味が湧いた。


紫乃から聞く彼女の話を聞いて、少しずつ彼女のことを知ることが出来た。


彼女の笑顔を見て、俺にもその笑顔を向けてほしいと思った。


いつも彼女の姿を探して、見つければ目で追っている自分がいた。


本を借りるためじゃなく、彼女に会いにいっている自分がいた。


気づいた時には、もう恋に落ちていたんだーーー。


理屈じゃなかった。


初恋のあいちゃんに似ているからだとか…そんな事も全く関係なかった。
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