最後の恋 【番外編: 礼央目線】
紫乃との電話を切って直ぐ、杏奈に電話にかけた。


紫乃との通話中にかかってきてる可能性もあったし、何より俺が待ちきれなかったから。


彼女は既にマンションの下まで着いていた。


電話を切った俺は、部屋を飛び出しエレベーターの前へと行く。


階数表示を見上げ数字が徐々にこの階に近づいていくのを、ずっと見ていた。。


エレベーターが37階で止まった。


ゆっくりとそのドアが開かれていく。


中にいた彼女の姿をとらえた瞬間、俺の手が勝手に動いた。


彼女を捕まえ、この手の中に彼女を抱きしめた。


やっと…捕まえた。


「…杏奈、ずっと不安にさせててごめん。」

「私もごめんなさい…。本当はずっと会いたかった。」


もう離したくないその大切な彼女の目を見つめ、そっと触れるだけのキスをした。
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