小悪魔なキミに恋しちゃいました。



「それからの僕は、本当に抜け殻状態だった。まだ症状は何も無いし、絶対になるとは限らないのに」



その時の結城くんは、かなり荒れていたらしい。



中学に入ってすぐに仲良くなった大和くんにも、暴言を吐いてしまうほど。



今の結城くんからは、全く想像がつかない。



「でも、そんな時に助けられた人がいて……検査が終わって病院の庭にあるベンチに座ってたら、隣で突然言ってきたんだよ」



結城くんの震えは落ち着いてきて、ちょっぴり笑顔が戻ってきていた。



「なんて言ったの?」



「空が綺麗って」



結城くんはそう言って、夜空に向かって手を伸ばした。



いつものように空に枠を作って。



「その時僕は、空が青くて広くて、綺麗なことを知った」



そう言う結城くんの表情は穏やかで……



思わず私も微笑んだ。


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