無駄な紅葉は散り濡れる.
出家する道もあったのかもしれない。

でも、それは嫌だった。

人間でいたかった。


そのためには
自分を売るしかない。

ただ、売るのではなく、
舞う事の出来る。
歌うことのできる。

少し高嶺の花になる必要があった。


あの人ともう1度出逢うために。


わが身はもう散ったもの同然なのだ。

だから、ちょっとでも、
美しく散って

あわよくば、
花のように見えたほうがいいに決まっている。

そのためには舞うしかない。
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