全ての記憶を《写真》に込めて
「彩月…」
全部話した。
隠しててもしょうがないから。
「どうしたらいいかな」
「どうしたらって……」
「そんなことも考えられないのぉ あんたの好きにしたらいいじゃん」
「晴っ!」
「俺たちに助けを求めてもどうにもならないでしょ」
「和久井くん!!」
やめなよ、と茉莉ちゃんが止める。
そう、だよね…。
でも、面と向かって言われると傷つく。
迷惑だったかな。
「ごめ、」
「彩月が決めたらいい、俺たちはそれを応援する」
「え、」
「忘れたらもう一度思い出を作ればいい」
「目が覚めないならずっとそばにいる」
「それじゃ不満なわけぇ?」
そう言って乱暴に頭を撫でられる。
「晴くん…」
そして、抱きしめられる。
「毎日、見に来るからねぇ」
「うんっ」
そして、晴くんは病室から出ていく。
そっか。
晴くんも、辛いんだよね。
茉莉ちゃんも泣いていた。
翔くんだっていつものおちゃらけた雰囲気じゃなかった。
「お母さん、決めたよ…」
私ね、手術するよ。
これからも、少しの間でも、みんなと一緒にいるために。