MOON WOLF
4人も目的地はファミレスだったらしく何にも考えずついて行くとファミレスに入るようだった。

平日の夕方なので幸い人も少なく、店に入るとすぐに座れた。

6人なので机をくっつけてもらい、

椅子側にあゆちゃんが座り出したから私も隣に座ろうとしたら

「お前はこっち」

愛斗に手を引かれソファー側の所に座るよう指示された。

結果、優結 私 愛斗、

冬真さん ケンケン あゆちゃん

で、向かい合う形になった。

…なんで私は愛斗と隣じゃなきゃダメなんだろう?

そんな疑問も浮かんだが、考えてもわからないのでもう気にしないことにした。

「みんな何にするの?」

「優結、スパゲッティ!」

と、優結から始まりみんなのメニューを聞いた。

「じゃあ私注文しとくからドリンクバー行ってきていいよ」

「サンキュー!!」

何飲む?などと、元気よく出ていったあゆちゃん、ケンケン、優結。

冬真さんと愛斗はそのまま座ってるけどいいのかな?

「2人ともジュースいらないの?」

店員さんに注文したあと聞いてみた。

「俺は別にジュース好きじゃないからね」

と、冬真さんは言った。

まあ確かに、二人の雰囲気からしてドリンクバーって感じではないよね。

そして、随分と遅かった気がするけどドリンクバーからあの3人が帰ってきた。

ケンケンの手には変な色の飲み物が握られていた。

「何それ」

気持ち悪い…

「へっへっへ。飲め、マリア」

「はあ?!」

意味がわからん…

「やめてあげよーよ!!」

そして天使あゆちゃんのストップが入った。

「はい。」

あゆちゃんは残った私達三人分の水も入れてきてくれたみたいで私の前に置いてくれた。

「ありがとう」

「うん!」

優結は何を入れたんだろう?

「優結は何飲むの?」

「リンゴジュース!」

「そっかっ」

それからは楽しくみんなでおしゃべりしながらご飯を食べた。

ケンケンとあゆちゃんがふざけたりするからずっと笑いっぱなしで、明日には筋肉痛になりそうなくらい面白かった。

そしてお会計しようと思い、店員さんに1人1人の値段を分けてもらいみんなも払っていったので、私もお金を出そうとした。

すると、愛斗が出てきて私たちの分のお金を出そうとしたので

「愛斗だめだよ!!自分で払うよ!」

必死に止めに入った。

「いい」

愛斗はお金を出す手を止めることなくそう言うと、さっさとお会計を済ませてしまった。

正直すごく申し訳ない気持ちだったが、これ以上は何も言えないので

「ありがとう」

お礼しか言えなかった。

「ああ」

愛斗は短く返した。

「じゃあ俺達は行くね!」

あゆちゃん達は帰るようだ。

「うん、バイバイ」

夜ご飯はみんなのおかげでとてもたのしかった。

だから少し寂しいけど、しょうがない。

「じゃあね、愛斗」

愛斗にも挨拶した。

でも愛斗は返事をしてくれなくて、

「愛斗?」

具合でも悪いのかと心配になった。

「おくる」

「え?」

どうやら送ってくれるようで、あゆちゃん達が歩き出した反対方向の私達の家の方向に歩き出した。

当たり前のように愛斗はこういうことをしてくれる。

すごく心がほっこりした。
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