…好きか?

そう聞かれて
つい顔を背けてしまった。



「ごめん
アタシやっぱりアイツの事…」


「…知ってる」


「え…」



会長さんが何かを察したらく
アタシは思わず目を合わせてしまった。



「けどまぁ…
最初からわかってたのかもな…俺も」



何も答えていないのに
まるでお見通しのような口ぶりに
少し安心してしまったアタシは
本当、ズルイ…。



「なんとなく予想もしてたけど…
 正直、悔しい。
 だけど、イチカが望む事だから…」



彼は最後に
一言だけ呟いた。



『アイツに譲るよ』



と―――
< 354 / 370 >

この作品をシェア

pagetop